退屈なはなし

that will come when it comes

出産立ち合いなめてた

昨日子どもが生まれた。

なんか物語でも始まりそうな一行だけど

現実の話だから自分でもびっくり。

 

28日の深夜0時ごろに陣痛が10分置きに来るという連絡が嫁からあって

29日の朝4時ごろに間隔が5分位になって病院に行くという連絡があって

そのタイミングで自分も相手の実家に向け車で出発。

110km/h程度で走っていたら覆面に捕まるという途中まさかの事態を経験しつつ、

8時半ごろ相手の実家に到着。

子宮口が1cmしか開いておらず一旦家に戻っていた嫁が若干破水するタイミングと重なって一緒に9時ごろ病院に行きそのまま入院。

そっからが地獄のようだった。

24時間、ひたすら5分間隔で痛みに悶える嫁の腰をさすり続ける。

前日の夜から眠れていない嫁はますます消耗していくばかりで一向に子宮口の開きに変化がなく、先が見えないことが余計に気力を奪っていく。

こっちもさすり続けることが思いのほか疲れる上に、休む場所も固くて狭いソファーの上に窮屈に横になるしかなく、うとうとしかけても5分間隔で陣痛で苦しむ声に目覚めてまたさすって、をひたすら繰り返して疲れが溜まっていく一方。

29日の深夜などはあまりの陣痛の痛みに座ってもいられず立って痛みを耐えようとするも体力の限界で何度もフラフラ倒れそうになるを支えたりしていた。

目の前で相手が気力も体力もなくしていく様子を見るのは精神的にも結構きつくて、

もし道徳的な問題なく出産を諦める方法があったなら本気でもう止めていいと思ったほど。

結局丸一日以上たった30日の10時頃に診察してもらい、そこでやっと陣痛促進剤を打つ選択肢を与えられ、11時頃から促進剤の点滴を開始。

その頃からようやく子宮口が3cm位になり、陣痛の痛み方も変わってきて、ようやく軌道に乗ったと思いきや、希望も空しく強い痛みがくるばかりで一向に子宮口に変化無し。促進剤は17時頃までしか打てないらしく、それでも変化がなければその日の出産は諦めて翌日に再トライするしかないと言われているものの、前日夜間のような苦しさを再び耐える体力も自信も到底無く、15時頃には救いがなく惨めな気分を味わったりもしていた。仕事も余裕がない中で、今日は有給取ったけど、明日も有給取って大丈夫だろうか、明日生まれる確証も無い中で有給を取り続けることが本当に賢明な判断なのだろうか、とも考えたりしていた。

16時頃に急に助産師さんがもう一度子宮口のチェックをすると言ったときは、様子も変わっていないし、どうせこれまでと同じでまだ変わっていませんと言われてガッカリするだけだろうと思っていたけれど、なんと突然7cmまで開いたと言う。今日生まれます、と。そこで一気に状況が変わった。陣痛室から分娩室に移動して少ししたら更に9cmにまでなっていた。全開の10cmまであと一歩。そこから1時間半ほど掛かるもついに18時半ごろ全開に。19時過ぎにようやく赤ちゃんが生まれた。感無量という感じ。赤ちゃんをつついたり、せっかくだからと胎盤とかへその緒を触らせてもらったり。

3~4時間仮眠し、若干高速でふらつきつつも5/31の4時頃東京に帰宅。

嫁はもともとつわりがトラウマで子どもは一人でいいと言ってるけど、もし二人目なんてことになったら出産はもう自然分娩はこりごり。無痛分娩しかさせたくない、という感じ。

立ち合い出産での夫の役割なんてついでみたいなもんだろうと高を括っていたけど、嫁ほどでは無いにしろ十分過ぎるほど壮絶苦難なものだった。