退屈なはなし

that will come when it comes

頑固なことばときれいな油

窮屈な地下ピットの中で

油圧ブレーカーの圧倒的な粉砕音に

何度も会話を中断されて

業者が照れ隠しに薄笑いでつぶやいた

なんか思い出に残りそうだな

というなんの意味も無い不器用な言葉が

頭の中にこびり付いてしまったまんまで

洗っても落ちない。

 

屈んだ業者の腰についてる工具ポーチが

油だまりに静かに浸っているのを見て

ポーチに気づかれないように

ひっそりとそれを見続けていた。